インジケーターって何..?

FXのチャートを見ていると、ローソク足だけでは「今が買い時なのか」「この先どう動きそうか」がイマイチわかりにくい…と感じたことはありませんか?そんなときに役立つのが「インジケーター(テクニカル指標)」と言って、チャート上に表示され、相場の状況やトレンドを分析するための補助ツールです💡
これは、過去の値動きをもとに「今の相場の状態」や「これからの流れ」を数値や線で教えてくれる道具のようなもの。初心者でも感覚に頼らず、根拠を持って判断できるようになるための、いわば「相場のナビゲーター」です。
もちろんインジケーターだけで未来を100%予測できるわけではありませんが、使いこなすことで「今は無理にエントリーしない方がいいな」といった冷静な判断ができるようになります。
「インジケーターって、なんだか複雑そう」「数字や線ばかりで挫折しそう」──そんなふうに感じるのは当然です。しかし実態は、完璧に使いこなさなくても「ざっくり分かる」だけでOKなものも多いんです。しかも、よく使われるインジケーターにはそれぞれ「役割」があり、見るポイントもシンプル。
たとえば、「今は勢いがある相場かどうか」「買われすぎていないか?」というような、初心者が最初に知りたいことを教えてくれます。ここでは、そんな「よく使う代表的なインジケーター7つ」を厳選して、やさしく・わかりやすく解説していきます。イメージでつかめるような内容にしているので、リラックスして読み進めてみてくださいね。
移動平均線(MA:Moving Average)

移動平均線(MA:Moving Average)はFX取引において相場分析に用いられるテクニカル指標の一つです。過去の価格データから計算された平均値を線で結んだもので、トレンドの方向や強さを把握するのに役立ちます。
①トレンドの把握
移動平均線が上昇していれば上昇トレンド、下降していれば下降トレンドと判断します。線の傾きが大きいほどトレンドの勢いが強いとされます。

②ローソク足との位置関係
ローソク足が移動平均線の上にあれば上昇トレンド、下にあれば下降トレンドと見なすことができ、これを元に取引を行う判断をします。


③押し目買い、戻り売り
トレンドの押し目(上昇トレンドで価格が一時的に下落すること)や戻り目(下降トレンドで価格が一時的に上昇すること)で、移動平均線を参考に売買タイミングを計ります。


移動平均線は1本だけでなく複数ひくことができます。例えば以下のように移動平均線の周期を14にしたものを1本、26週にしたものを1本引くと、「ゴールデン・クロス」という買うべきタイミングを見つけることができるのです。

また、逆に計算期間の短い移動平均線が計算期間の長い移動平均線を下抜けることを「デッド・クロス」といい、売りシグナルといって売るべきタイミングを見つけることもできます。

ただし、「ゴールデン・クロス」「デッド・クロス」は逆指標(売買サインが本来とは逆)になりやすいので注意が必要です。あくまで目安として活用しましょう。
ADX(Average Directional Index)

ADX(Average Directional Movement Index、平均方向性指数)は、トレンドの強さを教えてくれる指標です。DXの値が高いほどトレンドが強く、低いほどトレンドが弱いと見てとれます。またはトレンドがない状態(もみ合い)と見て取れます。
数字が20以下=弱い/40以上=強いトレンドと見てとることができます。

例えば、トレンドが強いときに順張り(流れに乗る)戦略に使えたり、トレンドがないときは無理にエントリーしない目安にもなります。
ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、トレンドやボラティリティ(値動きの幅)を分析し、値動きの「強さ」や「方向性の変化」を捉えるために使われるテクニカル指標のひとつです。移動平均線を中心に、標準偏差で計算された上下のバンドで構成され、価格の変動範囲やトレンドの方向性を視覚的に把握できます。バンドは通常、中心の移動平均線から±1σ、±2σ、±3σと段階的に外側に描かれ(画像の赤線上下)、それぞれ以下のような統計的な意味を持っています。
- ±1σの範囲内で価格が推移する確率:約68%
- ±2σの範囲内で収まる確率:約95%
- ±3σの範囲に収まる確率:約99%

①トレンドの判断
- 画像の赤い線=移動平均線が上向き=上昇トレンドと判断
- 画像の赤い線=移動平均線が下向き=下降トレンドと判断
②ボラティリティの判断
- バンド幅が広ければボラティリティが高くバンド幅が狭ければボラティリティが低いと判断
- バンド幅が収縮している状態から拡大している場合はトレンド発生のサインとされます
③売買シグナルの判断
- 順張り:バンド幅が拡大し、ローソク足が+2σや-2σの外側で終値をつけた場合、トレンドの方向に順張りでエントリーする、などの判断に使います。
- 逆張り:価格が-2σ付近まで下落したら買い、+2σ付近まで上昇したら売りを検討する、などの判断に使います。※ボリンジャーバンドは逆張りだけでなく、順張りにも活用できます。
- ボリンジャーバンドの±2σを終値で付けたからといって必ずしもトレンドが発生するとは限りません。
- 損切りは、バンドの幅が縮小に転じるタイミングや、移動平均線まで価格が戻った場合に行うのが一般的です。
RSI(Relative Strength Index)

RSI(相対力指数)は、FX取引において相場の過熱感を判断するために使われるテクニカル指標です。一般的に、RSIが70%以上になると買われ過ぎ、30%以下になると売られ過ぎと判断されます。これらのゾーンで反転が見られた場合に、それぞれ売り、買いのサインとして利用されます。

①買われすぎ・売られすぎの判断
- RSIの値が70%を超えると買われすぎ、30%を下回ると売られすぎと判断されます。
②逆張りサイン
- 買われすぎの状態から反転して下降に転じた場合は売り、売られすぎの状態から反転して上昇に転じた場合は買いのサインとされます。
③トレンドの継続・転換の判断
- 上昇トレンドではRSIが70%付近で反転、下降トレンドでは30%付近で反転する傾向があり、トレンドの転換点を見つけるのに役立ちます。
- デイトレードの場合は4時間足と15分足の両方にRSIを表示させ、上位足の流れに逆らわないトレードを心がけることで、より効果的にRSIを活用できます。
- トレンド転換の予測において、上昇トレンドでRSIが70%を超えてもすぐに反転せず、さらに上昇を続ける場合は、トレンドが継続していると判断できます。その後、RSIが70%を下回って反転した場合は、トレンド転換の可能性を考慮します。
MACD(Moving Average Convergence Divergence)

MACD (Moving Average Convergence Divergence) は、FX取引でトレンドの転換点や売買のタイミングを判断するために使われます。2本の移動平均線の差から算出されるMACDラインと、そのMACDラインの移動平均線であるシグナルラインの動きを分析するようなイメージです。
デフォルトで表示する場合は添付画像のようにグラフと赤線での構成ですが、初心者の方はパラメータを以下のように設定すると良いでしょう。
MACDの期間設定は、短期EMAを12日間、長期EMAを26日間、シグナルを9日間とするのが一般的です。


MACDライン:
「短期的な平均の動きと、長期的な平均の動きの差」を表す線で、つまり、今の勢いが強いのか弱いのかをざっくり教えてくれる線。例えるなら…短距離ランナー(短期)と長距離ランナー(長期)のスピード差を見て、「今は勢いが出てきたのか?それとも失速し始めたのか?」をチェックしてるイメージです。
シグナルライン:
MACDラインの動きを、平均化してなめらかにした線です。 トレードのタイミングを見つけるための“サイン”のような役割を持っています。例えば、トレンドが強いときに順張りの判断に使えたり、トレンドがないときは無理にエントリーしない目安にもなります。
MACDラインがシグナルラインを下から上に突き抜けたら「買いサイン」上から下に突き抜けたら「売りサイン」と判断されることが多いです。
まとめ

今回は5つのインジケータを学びました😊ここではインジケーターというもの自体がどういう仕組みで、どんな種類があるのか、ということと、こういったインジケーターを使って分析するイメージがつけばOKです!丸暗記する必要はありません✨おさらいをして次に進みましょう!
移動平均線(MA:Moving Average)


- 最も基本的で重要な「相場の方向性」を示す線
- 目的は過去の平均価格から「流れの向き(トレンド)」をつかむこと
- ローソク足がMAの上=上昇傾向/下=下降傾向
- 複数のMAの並び順(ゴールデンクロス、デッドクロス)で売買判断も可能
ADX(Average Directional Index)


- ADXはトレンドの強さを教えてくれる指標
- 目的は相場に強い「流れ(トレンド)」があるかどうかを測ること
- 見方: 数字が20以下=弱い/40以上=強いトレンド
- トレンドが強いときに順張り(流れに乗る)戦略に使える。
- トレンドがないときは無理にエントリーしない目安にも。
ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)


- 値動きの幅(ボラティリティ)と相場の状況をチェックする
- 目的は「今の価格が普通の範囲内か?極端か?」を判断する
- 見方: ±2σ(シグマ)の外に出ると「行きすぎ」サイン
- 外に飛び出すと「そろそろ戻るかも?」と逆張りに使う人が多い
- バンドが広がってるとき=トレンドが発生しやすい
RSI(Relative Strength Index)


- 買われすぎ/売られすぎを数値でチェックする指標
- 目的は相場の過熱感を見る(「そろそろ反転するかも?」のサイン)
- 70以上=買われすぎ(下がるかも)、30以下=売られすぎ(上がるかも)と判断
- RSIが70以上のときは「利確」、30以下は「買い場」と見る人が多い。
- ただし、トレンド中はあてにならないこともあるので注意。
MACD(Moving Average Convergence Divergence)


- トレンドの転換点やタイミングを探る道具
- 目的はトレンドが「変わる瞬間」を見つける
- MACD線とシグナル線のクロスを見て、上から下へクロス=売りサイン、下から上へクロス=買いサイン
- クロスをエントリーのサインにする。
- トレンドの勢いを見るのにも使える。
